ホワイトペッパー(白胡椒)/ White pepper

ホワイトペッパーとは?

胡椒の実(コショウ科のつる性植物の果実)を赤く完全に熟しきった状態で収穫し、水に漬けて柔らかくなった外皮を剥いた後で乾燥させた香辛料のことです。
胡椒とは亜熱帯性の多年生つる性植物で、インド南西部原産。日本の気候では栽培できません。

 

食品の保存に使われることから、かつては「コショウ一粒、黄金一粒」と言われたほどで、実際に中世のヨーロッパでは金1オンスとペパー1オンスが交換されたりお金の代用として使われたほど珍重されていたそうです。

主要生産国は、インドをはじめ、マレーシア、インドネシア、ブラジル、ベトナムなど。コショー科の植物は2000種近くあり、沖縄のヒハツモドキ、南アジアのクベバなど、葉や実がコショーと同じように利用されているものも少なくないです。

ホワイトペッパーの特徴

ブラックペッパーに比べるとホワイトペッパーはあまり馴染みがないですが、辛味も香りも上品で穏やかに感じるのが特徴です。胡椒の香りは香り成分である精油が実の皮部分に多く含まれているため、皮を剥いてしまうホワイトペッパーはその分香りが穏やかになるというわけです。また、辛味の素であるピペリンとシャベリンいう成分は未熟果に多く含まれるため、完熟した実を使うホワイトペッパーの辛味は穏やかになるというわけです。
そのため、白身魚・とり肉・卵などの比較的淡白な素材の料理に向いています。またホワイトソースのように白く仕上げたい料理にも欠かせません。

使い方としてはホールタイプをスパイスミルに入れて、使うタイミングで直前に挽くのがオススメです。

ホワイトペッパーの種類と使い方

粒こしょう

マリネや野菜のピクルスなどに使用します。煮汁や油脂分に辛みや香りがよく溶け出す煮込み料理などに使われます。
粒こしょうは叩いてつぶしたり、こしょう挽き(ペパーミル)で挽いて使うことも多いです。こしょうの香り成分は揮発性なため、挽きたてが香り、辛みともにいちばん引き立ちます。

粗びき

ミルなどが無くても手軽に使えるのが特徴です。あらびきは若干香りがとびやすくなってますが、刺激的な香味が楽しめます。

パウダー(粉末)胡椒

適度な辛さと香りが特徴です。パウダー(粉末)は香りがとびやすくなってます。舌触りを邪魔せず、料理に利用しやすいのが特徴です。肉や魚にふりかけたり、料理の味付けに利用したり、小麦粉などとあわせたりなど様々な使い方ができます。

 

ホワイトペッパーの臭いについて

人によってはホワイトペッパーに強い不快臭を感じる事があるらしいのですが、これは製造工程で原料を水に浸けて外皮を腐敗して除去する際に発生する腐敗臭、チーズ臭のような一般に人が不快臭を感じる成分が発生しやすい事によるものだそうです。この不快臭の強さはホワイトペッパーの製造工程に依存し、流水を数日間流し続けながら外皮を腐敗させればほとんど不快臭のしない綺麗な状態のホワイトペッパーを製造できる事も知られています。