ピンクペッパー(赤胡椒)/ Pink pepper

ピンクペッパーとは…

ピンクペッパーというと、一般的な胡椒が赤くなったもの・・・というのが本来なのでしょうが、実はピンクペッパーには3つの種類があります。
1. 赤く熟した胡椒の実(コショウ科コショウ属)
2. ナナカマドの実(バラ科ナナカマド属)
3. コショウボクの実(ウルシ科サンショウモドキ属)

このうち、日本で一般的に流通してるものは3のコショウボクの実がほとんどです。

 

コショウの実

1.胡椒の実は、未熟な時は緑色をしていますが、熟すと赤くなります。これを収穫して、塩漬け、または乾燥させたものです。ホワイトペッパーと異なり外皮をはがさずにそのまま使用します。胡椒特有の辛味と、香りがあります。 フランス名、ポアブル・ロゼ(poivre rose)。イタリア名、ペペ・ローサ(pepe rosa)。ただし、フランスでは、唐辛子もポアブル・ロゼと言うんだそうです。
コショウボクの実とこの熟した胡椒の実を誤解している人が多いのですが、コショウボクの実は胡椒の実に比べ、直径は半分くらいだそうです。赤胡椒を直訳すると『レッドペッパー』になるけれど、これは唐辛子のことをさします。

ナナカマドの実

2.のナナカマドの実は、西洋ナナカマド(バラ科ナナカマド属の落葉小高木)の実を酢漬け、または乾燥させたものです。日本のナナカマド(七竈)とは近縁種。 原産地はヨーロッパからシベリアにかけての北半球で、辛みはなく、適度の酸味と苦みがあり、肉料理、特に鹿肉料理に使われます。ギャバン社商品が有名で肥満改善に効果があると言われています。

コショウボクの実

3.日本で一般的に流通しているピンクペッパーはコショウボクの実のことです。ウルシ科サンショウモドキ属の常緑樹で、15メートルまで成長する大木です。原産は南北アメリカの砂漠地帯で、古くから薬用として利用されてきました。名前にコショウと付きますが、一般的な胡椒とは別の種に属しています。

コショウボクの実は、胡椒と違って刺激的な辛さはさほどなく、かすかに胡椒っぽい香りの中に、ほんのりとした甘みと酸味があります。その色とマイルドな風味により、スパイス料理だけでなく、スイーツやフレグランスの香料、ボディケア成分、アロマセラピーなど、幅広く使用されています。

 

ピンクペッパーは痛みや炎症を緩和する

ピンクペッパー(コショウボクの実)には、抗菌防腐効果があり、原産の南アメリカでは伝統医療として様々な症状に処方されてきました。特に風邪やインフルの予防、筋肉の緊張を和らげる、痛みや炎症を抑える、歯痛や月経痛の緩和などに効果があるとされています。

 

ピンクペッパーの香りについて

ピンクペッパーの香りは、気分を高揚させ、明るく前向きに、かつ注意深く、苦難な時でも楽観性とスタミナをもたらしてくれます。ほのかにスパイシーでありながらも、その中に居心地の良い暖かさが共存し、ほどよいバランスを感じさせます。

 

美容効果も注目されてます

近年ピンクペッパーから美容効果の高い成分が抽出され、様々なボディケア製品が開発されています。特にリンパの循環を促し、脂肪分解作用とセルライト予防の効果をうたったスリミング製品が、海外で注目を集めています。