レモングラス/Lemongrass/レモンガヤ/コウスイガヤ

レモンの香りのレモングラス

葉をちぎって揉むとレモンのような爽やかな香りがするハーブです。インド原産のイネ科の多年草植物で、インド、スリランカ、シナ半島、インドシナ半島など熱帯アジア地方に広く自生しています。ススキのような背の高い植物で、根元はふっくらと丸みをおび、東南アジアでは茎の根元の部分を料理に利用します。タイ、マレーシア、インドネシア料理に、何とも言えない独特の魅力的な味わいを加えているハーブです。

レモンにも含まれているシトラールと言う成分を含み、人工のレモンフレーバーを作るのに使われます。乾燥したレモングラスの香りには生のものの爽やかさがないので、生のレモングラスが手に入らないときには、レモンバームというハーブやレモンの皮の方が香りが強いので代用した方がよさそうです。

密生して群生する多年生の植物で、暑くて日当たりが良く、時々雨の降るような気候を好みます。砂交じりの土壌で育ったものからは多量の精油が取れ、水蒸気蒸留して取りだした精油は、香水の材料にも使われています。

レモングラスの歴史

レモンと同じ香りの成分(シトラール)を含有し、レモンのような強い香りを放つハーブ(草)であったことからレモングラスと名付けられたといわれています。

インドでは数千年前から人々に好まれ、栽培されてきたといいます。伝統医学アーユルヴェーダでもレモングラスの精油は熱を下げ、感染症をなおし、腫瘍の進行を食い止めるのに利用されてきました。1786年にリチャード・バンクス卿によってイギリスに伝来し、1914年には、日本でも温室栽培されていたといわれています。

以前はインドがレモングラスの主な生産国でしたが、その後は、西インド諸島がインドにとって代わりました。現在では多くの国で食用ハーブやハーブティーとして親しまれています。

 

レモングラスの利用方法

ハーブティーとしてフレッシュ、ドライともによく利用されてます。特にミントと相性が良く、レモンバームなどと組み合わせると美味しいブレンドティーができます。使うときにはハサミで刻んだり手で揉んだりすると香りがよく引き出されます。

東南アジアでは料理の材料としてごく一般的に使われています。煮たりなどしても繊維が残るので無理に食べず、主に芳香付けの目的で使うのが一般的です。タイ料理として有名なトムヤムクンはレモングラスやライムで風味をつけている代表的なメニューです。ココナッツミルクやナンプラーの風味と相性がよく、硬くしまった繊維質の茎(葉鞘)もよく利用され、刻んだり、たたきつぶしたりして、スープや炒め物などの風味づけに使われます。ベトナムやマレー地方でもレモングラスの葉をカレー料理などに加えるそうです。ガーリックやエシャロット、チリ、生のコリアンダーなどとも相性が良く、これらのスパイスと一緒に魚貝や鶏肉、豚肉の料理の味付けをするのに向いているとされ、若干の矯臭効果も期待できるそうです。

料理の他には、お腹の張りを和らげるのに使われたり、また鎮静剤としても使われていたそうです。インドでは薬草として感染症の治療や解熱剤として利用されてきました。

防虫作用や消臭作用があり、レモングラスの香りは虫が嫌うので、虫除けスプレーなどにも使われています。葉をクローゼットに入れておくと虫がつかないともいわれます。部屋の空気を浄化してくれるので、ルームフレグランスにも適しています。

その他、水蒸気蒸留して取りだした精油は、香水の材料にも使われています。

 

レモングラスの効果・効能

レモングラスには抗菌・殺菌作用があり、風邪の予防や腹痛、下痢の緩和にも効果的といわれています。水虫の治療にも利用されるそうです。

レモンのようなすっきりとした香りは、私たちの眠気を覚まし、気持ちをリフレッシュさせてくれます。うつ気味な気分も和らげてくれることでしょう。

また、レモングラスは胃の働きを助けて消化を促進し、脂肪の分解を促す作用もあるといわれています。食べ過ぎて胃もたれしたときや胸やけのするときなど、レモングラスのハーブティーを飲むと良いでしょう。

鎮痛作用や抗炎症作用もあり、筋肉痛などの痛みをやわらげるのにも有効です。血流を促進する効果もあるので、冷え性やむくみ、肩こりにも効果を発揮します。体の中で蓄積して疲れの原因となる乳酸を除去して、循環を刺激し、筋肉痛の痛みをやわらげて筋肉をしなやかにします。

精油は収斂作用や殺菌、消毒作用により、開いた毛穴を引き締めたり、皮膚分泌のバランスを整え、にきびを改善したりする効果があります。デオドラント効果や消臭作用もあるので、夏の暑い日やスポーツ後にも役立ちます。

 

  • リフレッシュ効果
  • 健胃作用
  • 鎮痛作用、抗炎症作用
  • 血流改善、筋肉痛予防
  • 美肌効果
  • 防虫効果、消臭効果

 

参考・参照 :